請求書テンプレート(無料)|インボイス対応の書式と記載項目

月末、納品はすべて終わっているのに請求書がまだ1枚もできていない。前回どの書式で出したか思い出せず、去年のファイルを開いてみたら登録番号の欄がない。取引先から「税率ごとの消費税額が書かれていないので受け取れません」と差し戻された経験がある方もいると思います。請求書は毎月出すものなので、書式が固まっていないと、その都度悩む時間がそのまま積み上がっていきます。

ここでは、そのまま使える請求書の書式を配布しつつ、適格請求書(インボイス)として必要な記載事項が書式のどこにあたるのか、振込先や支払期限をどう書くか、源泉徴収がある場合はどの欄で処理するかを順に説明します。

適格請求書として必要な記載事項は6つ

インボイス制度のもとで、適格請求書として求められる記載事項は次の6つです。従来の請求書にすでに書いていた項目に、3つが足された形だと考えるとわかりやすいと思います。

記載事項書式のどこにあたるか
発行者の氏名または名称右上の自社名の欄
登録番号(Tで始まる13桁)自社名のすぐ下
取引年月日右上の発行日、または明細行の日付
取引内容(軽減税率対象ならその旨)明細行の品名と税率マーク
税率ごとに区分した合計額と適用税率明細の下の税率別集計欄
税率ごとに区分した消費税額同じく税率別集計欄
交付を受ける者の氏名または名称左上の宛先欄

新しく必要になったのは、登録番号、税率ごとの区分、税率ごとの消費税額の3つです。逆に言えば、今使っている請求書にこの3つを足せば形は整います。

登録番号は「T+13桁」をそのまま書く

登録番号は、法人の場合は「T」に法人番号13桁を続けた形になります。個人事業主の場合はマイナンバーとは無関係の13桁が割り当てられます。書式では発行者名の直下に固定の欄を置いておくと、毎回入れ忘れる心配がなくなります。免税事業者のままでいる場合は登録番号がないので、この欄は空にするか削除して使ってください。

税率ごとの区分は、明細と集計の両方で必要

10%と8%が混ざる取引では、どの行がどちらの税率かを明細で示したうえで、下の集計欄で税率ごとに合計と消費税額を出します。飲食料品の仕入れを立て替えて請求する場合や、贈答品を含む請求では8%が混ざります。逆に、扱いが10%だけであれば「10% 対象 ◯◯円/消費税 ◯◯円」の1行だけで足ります。

消費税額の端数処理は、1つの請求書につき税率ごとに1回だけと定められています。明細の行ごとに端数処理をして積み上げる方法は認められていないため、集計欄でまとめて計算する形にしておくと安全です。切り捨て・切り上げ・四捨五入のどれを選ぶかは事業者が決められます。具体的な取り扱いは国税庁の資料または顧問税理士にご確認ください。

ダウンロードして使える書式

上の記載事項をあらかじめ入れた形で、そのまま使える書式を用意しました。

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自社名・登録番号・振込先を一度書き換えれば、あとは毎月、宛先と明細だけを差し替えて使えます。印刷して郵送する場合も、PDFにしてメール添付する場合も、そのままA4で収まる余白にしてあります。

振込先・支払期限・振込手数料の書き方

記載事項として法律上求められているわけではありませんが、実務で問い合わせが発生しやすいのがこの3つです。

  • 振込先:金融機関名、支店名、預金種別、口座番号、口座名義(カタカナ表記も併記すると照合が早い)
  • 支払期限:「2026年10月31日」のように日付で書く。「月末締め翌月末払い」だけだと、相手の経理が自分で計算することになる
  • 振込手数料:「振込手数料は貴社にてご負担ください」など、どちらが負担するかを一文で明記する

支払期限を日付で書いておくと、入金が遅れたときに催促しやすくなります。相手の締め日が自社と違うことは珍しくないので、初回の取引では支払サイトを確認したうえで日付を入れるのが確実です。

振込手数料は、取引の慣行や契約で決まっていることもあります。書面に何も書かないまま先方が手数料を差し引いて振り込み、数百円だけ入金が足りない状態が続く、というのはよくあるつまずきです。金額が小さくても、消し込みのたびに差額の理由を調べることになるので、最初に書式へ入れておくほうが手間が減ります。

請求書番号は空欄にしない

請求書番号は必須の記載事項ではありませんが、入金の消し込みや、あとから「あの請求どうなりましたか」と聞かれたときの手がかりになります。付け方に決まったルールはないものの、途中で方式を変えると過去分と突き合わせにくくなります。番号の設計については請求書番号の付け方|連番のルールと、やりがちな失敗にまとめています。

源泉徴収がある場合の書き方

デザイン、原稿執筆、講演、翻訳など、所得税法で定められた報酬を法人などに請求する場合、支払う側が源泉徴収をします。この場合、請求書には差し引かれる金額と、実際に振り込まれる金額を書いておくと行き違いが減ります。

小計(税抜)100,000円
消費税(10%)10,000円
合計110,000円
源泉徴収税額-10,210円
お振込金額99,790円

源泉徴収税額は、請求書で報酬額と消費税額が明確に区分されている場合、税抜の報酬額を基礎に計算して差し支えないとされています。上の例では100,000円に対する10.21%として10,210円になります。税込金額を基礎にすることも可能なため、どちらで計算するかを取引先と揃えておくと、金額のずれで確認が往復することがなくなります。

なお、源泉徴収の対象になるかどうかは報酬の内容と支払者によって変わり、100万円を超える部分は税率も変わります。相手が個人事業主で従業員がいない場合など、源泉徴収の義務がないケースもあります。自分の取引が対象になるかどうかは、国税庁の資料または顧問税理士にご確認ください。

テンプレートで足りなくなるとき

取引先が5社くらいまでで、月に数枚しか出さないうちは、書式が固まっていればそれで十分に回ります。手間が増え始めるのは、だいたい次のような場面です。

  • 見積書の内容を請求書に手で写し直していて、金額の転記ミスが起きる
  • 毎月ほぼ同じ内容の請求書を、前月のファイルを複製して作っている
  • どの請求書が入金済みかを、通帳とファイル名で突き合わせている
  • 取引先が増えて、請求書番号の重複や抜けが出てきた

ファイルを複製する運用は、宛先や日付の直し忘れが必ず出ます。どの時点で仕組みに切り替えるかの判断材料は、見積・請求ツールの選び方|小さな会社が見るべき8つの比較軸に整理しました。見積書の書式もあわせて揃えたい場合は、見積書テンプレート(無料・エクセル)もご覧ください。

KantanBiz を使うと、見積として作ったものをそのまま請求に変換できるので、金額や品名を打ち直す作業がなくなります。登録番号や振込先、振込手数料の文言は一度設定しておけば全部の請求書に入り、番号も自動で振られるため重複や抜けを気にせずに済みます。毎月同じ内容の請求は複製ではなく繰り返しとして登録でき、入金の消し込みも請求書ごとに記録が残るので、月末に「どれが未入金だったか」を探す時間がそのまま減ります。

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