「あの案件、見積もりいくらで出したっけ」「原価を入れたはずなのに、どのシートだったか分からない」。案件が増えてくると、こんなやり取りが増えていないでしょうか。独立したばかりのころや、数人規模の事務を一人で回しているときは、まずエクセルで案件管理表を作るのが自然です。実際、それで十分に回ることも多くあります。この記事では、案件管理表に最低限持たせておきたい列と、エクセルのまま使い続けてよいか判断する目安をまとめます。
案件管理表に持たせる列
案件管理表は、あとから見返したときに「その案件が今どうなっているか」が一目で分かることが目的です。最低限、次の列があると迷いません。
- 案件番号(重複しない連番。年月+連番の形が扱いやすい)
- 顧客名
- 件名(何の仕事かが分かる短い名称)
- 担当者
- ステータス
- 納期
- 金額(顧客への請求額)
- 原価(外注費・仕入・材料費などの合計)
- 粗利(金額から原価を引いた額)
粗利は関数で自動計算にしておくと、金額や原価を修正した際に手で計算し直す手間がなくなります。案件番号は「案件と請求書と見積書をひもづける鍵」になるので、途中で採番ルールを変えないことが大切です。番号の付け方で迷う場合は、請求書番号の付け方|連番のルールと、やりがちな失敗も参考になります。
ステータスの分け方と、粗利を同じ行で見る意味
ステータスは細かくしすぎると更新が追いつかなくなります。まずは「見積中」「受注」「作業中」「納品済み」「請求済み」「入金済み」くらいの6段階で十分です。フィルターをかければ、今どの案件が止まっているか、どの案件がまだ入金されていないかがすぐに分かります。
金額・原価・粗利を同じ行に並べておく意味は、案件ごとの採算をその場で判断できることにあります。売上の合計だけを見ていると、件数は多いのに利益が薄い案件ばかりになっていることに気づきにくいものです。行ごとに粗利が見えていれば、「この種類の案件は受けるほど忙しくなるだけで儲からない」といった判断が、感覚ではなく数字でできるようになります。
そのまま使える書式を用意しました。
エクセル運用が壊れ始めるサイン
一人で使っているうちは、エクセルの案件管理表はほとんど問題になりません。壊れ始めるのは、たいてい人が増えたときです。次のようなことが起き始めたら、注意が必要です。
- 同じファイルを二人が同時に開いて編集し、片方の更新が上書きで消える
- 「最新版_v3_これが本当に最新.xlsx」のように、ファイルが枝分かれして増えていく
- 見積書や請求書の金額を、管理表からコピーする際に転記ミスが起きる
- 担当者ごとに別のファイルを持っていて、会社全体の案件数や粗利の合計がすぐに出せない
- ステータスの更新が本人任せになり、実態と表がずれていく
これらは表の作り方が悪いのではなく、複数人・複数ファイルという条件そのものがエクセルの前提から外れてきているサインです。同時編集や転記は、ツール側の使い方を工夫しても根本的には解消しにくい部分になります。
移行を考える目安
目安としては、担当者が2人以上になった時点、あるいは案件数が月に20件を超えて管理表が重くなってきた時点で、他の仕組みへの移行を検討してよい段階です。特に、見積書・請求書と案件管理表を別々に管理していると、金額の転記ミスや二重管理が起きやすくなります。見積から請求までをどう管理するか迷う場合は、見積・請求ツールの選び方|小さな会社が見るべき8つの比較軸も参考にしてください。なお、消費税の税率区分など税務にかかわる表記については、国税庁の資料または顧問税理士にご確認ください。
KantanBiz では、案件番号を起点に見積書・請求書・原価・担当者・ステータスが同じ案件にひもづくため、エクセルで起きていた「別ファイルへの転記」自体がなくなります。金額や原価を入力すればその場で粗利が見え、複数人で同時に開いても上書きで消えることはありません。案件表を毎回作り直す代わりに、案件が動くたびに記録を更新していくだけで、会社全体の受注状況と利益を常に同じ画面で確認できるようになります。くわしくはKantanBizをご覧ください。
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