会計ソフトを導入した。確定申告はたしかに楽になった。それなのに、日々の事務作業はほとんど減っていない。
見積は相変わらず手作りだし、請求書の発行漏れは今も起きる。「あの案件、どこまで進んでたっけ」と探す時間も変わらない。
これは会計ソフトが悪いのではありません。解いている問題が違うだけです。この記事では、その線引きを整理します。
仕事の流れを5つに分けてみる
受注型の仕事(制作・工事・保守・コンサルなど)は、だいたいこの順に進みます。
- 見積:条件を聞いて金額を出す
- 受注:発注が決まる
- 進行:作業する。外注に出すこともある
- 請求:終わったら請求書を出す
- 入金・記帳:入金を確認し、帳簿に記録する
会計ソフトが本領を発揮するのは、5番です。仕訳、消費税、決算書、確定申告。ここは会計ソフトでなければできません。
多くの会計ソフトには請求書作成の機能もあるので、4番も一部カバーされます。
問題は1〜3番です。ここは会計の領域ではないので、そもそも設計されていません。
事務作業の実体は、たいてい1〜3番にある
「事務作業が減らない」と感じるとき、時間を食っているのは記帳ではありません。次のような作業です。
- 前回の見積を探して、コピーして、金額を書き換える
- 「あの件どうなりましたか」と聞かれて、メールを遡って確認する
- 納品したのに請求を忘れ、数か月後の入金照合で気づく
- 外注にいくら払ったか思い出せず、その案件の利益が分からない
- 取引先ごとに違う単価を、記憶と過去ファイルで管理している
どれも会計ソフトの守備範囲外です。だから会計ソフトを高機能なものに変えても、この部分は減りません。
足りないのは会計機能ではなく、案件を追う仕組みです。
「案件を軸にする」とはどういうことか
書類を軸にすると、見積書・受注書・請求書がバラバラのファイルとして増えていきます。同じ案件の書類なのに、つながりはファイル名と記憶だけです。
案件を軸にすると、逆になります。案件がひとつあって、その中に見積・受注・進捗・請求・入金の状態がぶら下がる形です。
この形にすると、先ほどの困りごとが構造的に消えます。
| 困りごと | 案件軸だとどうなるか |
|---|---|
| 見積を探してコピーする | 登録済みの商品・単価から選ぶだけになる |
| 進捗を聞かれて分からない | 案件を開けば現在の段階が出ている |
| 請求を忘れる | 「納品済みで未請求」の案件が一覧に残る |
| 案件の利益が分からない | 売上と外注費が同じ画面に並ぶ |
選ぶときの3つの問い
ツールを比べる前に、自分がどちらの問題を抱えているかを見極めてください。
1. 時間を食っているのは、記帳か、それとも案件の把握か
記帳や申告なら会計ソフトの問題です。「今どうなっているか分からない」なら、会計ソフトを変えても解決しません。
2. 同じ内容を2回以上入力していないか
見積の内容を請求書に書き写しているなら、そこは仕組みで消せます。二重入力は、ツールが分断されているサインです。
3. 自分が休んだら、案件は止まるか
止まるなら、情報が頭の中にしかありません。人数が増える予定があるなら、早めに外に出しておくほど楽になります。
KantanBiz の位置づけ
KantanBiz は1〜4番を担当するツールです。見積・受注・進行・請求・入金管理を、案件を軸にひとつにまとめています。
そして会計ソフトではありません。仕訳も決算書も確定申告の機能もありません。そこは会計ソフトの仕事です。
ですので「乗り換え」ではなく併用が自然な形になります。案件と請求は KantanBiz、記帳と申告は会計ソフト、という分担です。
逆に言えば、記帳と申告だけが悩みなら KantanBiz は必要ありません。会計ソフトで足ります。向いている場合・向いていない場合を正直に書いていますので、あわせてご覧ください。
まず1件だけ通してみる
この手の判断は、説明を読むより実際に1件通したほうが早いです。いま抱えている案件をひとつ登録して、見積から請求まで動かしてみてください。
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