【KantanBiz】他のシステムからデータを引っ越す方法(CSVインポート完全ガイド)

これまで使っていたソフトやExcel・スプレッドシートのデータを、KantanBizにまとめて取り込む方法を、はじめての方にもわかるように解説します。むずかしい作業はありません。CSV(またはTSV)ファイルを用意して、アップロードするだけ。あとはAIが「どの列が何のデータか」を自動で見分けてくれます。

2026年6月のアップデートでは、ZIP一括アップロード時のエラー修正、分かりやすいメッセージ表示、一部ファイルの自動スキップなどを改善しました。現時点で最も賢いと言われているAIモデル「Claude Fable 5」を使った列解析にも対応しています。

はじめに:2つの取り込み方法

KantanBizには取り込み口が2つあります。どちらもオフィスのオーナーが操作できます。

方法 メニュー名 使うファイル こんなときに
CSVインポート(おすすめ) KantanPro(FileMakerPro版)データインポート CSV / TSV など(複数ファイル・Zipも可) 他システムやExcelからの引っ越し。AIが列を自動判定
JSON移行・復元 データ処理(JSON) JSON KantanBizのバックアップや旧WordPress版の復元

他のシステムからの引っ越しは、上の「CSVインポート」を使います。この記事ではこちらを説明します。

メニュー名に「FileMakerPro版」とありますが、他システム由来のCSV/TSVでもそのまま使える汎用のインポート機能です。KantanPro(FileMakerPro版)からエクスポートしたZIPをそのままアップロードすることもできます。

取り込みの流れ(かんたん5ステップ)

  1. データの種類ごとにファイルを用意 … 顧客・協力会社・商品などを、後で紹介する「項目表」に合わせて1ファイルずつ作成(文字コードはUTF-8、CSVまたはTSV)。KantanProのバックアップならZIPにまとめてOK。
  2. 取り込み画面を開く … メニューから「KantanPro(FileMakerPro版)データインポート」。
  3. ファイルを選んでアップロード … 複数選択、またはZip(1段まで)に対応。一度に最大30ファイルまで。
  4. AIが列を解析 → プレビューで確認 … どの列が何に割り当てられたか、紐付け先、注意事項(警告)を確認します。
  5. 「確定してインポート」を押す … 取り込んだ件数・スキップした件数が表示されます。

取り込み先はいまログイン中のオフィスです。ほかのオフィスには反映されません。

取り込み順はお客様側で調整する必要はありません。 ZIP内に顧客データと部署データが両方あれば、システムが「顧客→部署→協力会社→職能→商品→受注」の順で処理します。

データの種類ごとの「項目表」

CSV/TSVは1行目を見出し(ヘッダー)にしてください(KantanProのヘッダーなし固定形式にも一部対応)。列名は日本語でも英語でもOK。下の表の「項目」に近い名前にすると、AIの判定がより正確になります。

※「最大文字数」を超えた分は、取り込み時に自動でカットされます。

① 顧客

項目 内容 必須 初期値 メモ
company_name会社名必須これがキー。空だと取り込まれません
representative_name代表者名
emailメールアドレス受注の紐付けにも使用
phone電話番号
postal_code郵便番号
prefecture都道府県
city市区町村
address番地・住所
building建物名
tax_category税区分内税内税 / 外税
payment_timing支払タイミング
closing_day締め日数値のみ(例:20)
payment_month支払月数値のみ
payment_day支払日数値のみ
memoメモ
categoryカテゴリー
client_status顧客状態稼働中
mail_targetメール配信対象対象「対象外」で配信しない
source_record_id元システムのID部署を紐付けるなら入れておくと安心

記入例(顧客.csv)

company_name,representative_name,email,phone,prefecture,city,address,tax_category,client_status,source_record_id
株式会社サンプル商事,山田太郎,yamada@example.com,03-1234-5678,東京都,千代田区,1-2-3,内税,稼働中,C001
有限会社テスト工業,佐藤花子,sato@example.jp,06-9876-5432,大阪府,大阪市北区,4-5-6,外税,稼働中,C002

② 顧客部署

顧客にぶら下がる連絡先(部署)です。親(顧客)への紐付けが必須です。

項目 内容 必須 メモ
parent_source_id親顧客のsource_record_id※どちらか顧客側のsource_record_idと一致させる
parent_company_name親顧客の会社名※どちらかIDが無い場合は会社名で紐付け
department_name部署名必須
contact_person担当者名
email部署のメール

記入例(顧客部署.csv)

parent_source_id,parent_company_name,department_name,contact_person,email
C001,株式会社サンプル商事,営業部,鈴木一郎,sales@example.com
C001,株式会社サンプル商事,経理部,高橋次郎,keiri@example.com

KantanProの場合: user_mail.*user.*同じZIP内に含めてアップロードしてください。user_mail.* だけを単体でアップロードするとエラーになります。

③ 協力会社

項目 内容 必須 初期値 メモ
company_name会社名必須これがキー
contact_name担当者名
emailメールアドレス
representative_name代表者名
phone電話番号
postal_code郵便番号
prefecture都道府県
city市区町村
address番地・住所
building建物名
closing_day締め日数値のみ
payment_month支払月数値のみ
payment_day支払日数値のみ
payment_method支払方法
tax_category税区分内税
qualified_invoice_numberインボイス番号適格請求書発行事業者番号
memoメモ
categoryカテゴリー
mail_targetメール配信対象対象「対象外」で配信しない
source_record_id元システムのID職能を紐付けるなら入れておくと安心

記入例(協力会社.csv)

company_name,contact_name,email,phone,tax_category,qualified_invoice_number,source_record_id
デザイン工房ABC,田中三郎,tanaka@abc.example,090-1111-2222,内税,T1234567890123,S001
印刷のヨシダ,吉田四郎,yoshida@print.example,075-333-4444,外税,T9876543210987,S002

④ 協力会社職能(協力会社の単価表)

協力会社が提供できる商品・サービスと単価です。親(協力会社)への紐付けが必須です。

項目 内容 必須 初期値 メモ
parent_source_id親協力会社のsource_record_id※どちらか協力会社側と一致させる
parent_company_name親協力会社の会社名※どちらかIDが無い場合は会社名で紐付け
product_name品名・職能名必須
unit_price単価0
quantity数量1
unit単位個・時間 など

記入例(協力会社職能.csv)

parent_source_id,parent_company_name,product_name,unit_price,quantity,unit
S001,デザイン工房ABC,ロゴデザイン,50000,1,式
S001,デザイン工房ABC,バナー制作,8000,1,点
S002,印刷のヨシダ,名刺印刷(100枚),3000,1,セット

KantanProの場合: work.*thirdparty.*(または therdparty.*)と同じZIP内に含めてください。

⑤ 商品・サービス

項目 内容 必須 初期値 メモ
name商品・サービス名必須これがキー
price価格0
tax_rate税率(%)例:10
unit単位式・個・時間 など
memoメモ
categoryカテゴリー一般
frequency使用頻度(並び順用)0数値のみ

記入例(商品.csv)

name,price,tax_rate,unit,category
Webサイト制作,300000,10,式,制作
月額保守サポート,10000,10,月,保守
ロゴデザイン,50000,10,式,デザイン

⑥ 受注

受注は既存(または同時に取り込む)顧客に紐付けます。紐付け先が見つからない行はスキップされます。

項目 内容 必須 初期値 メモ
(顧客識別列)顧客のメール または 会社名必須プレビューで「顧客識別列」に指定。メール優先→会社名で照合
title案件名インポート受注
statusステータス受付中下記の値のみ有効
due_date納期例:2026-04-01
desired_delivery_date希望納期
expected_delivery_date予定納期
completion_date完了日
amount金額
memoメモ

statusに使える値: 受付中 / 見積中 / 受注 / 完了 / 請求済 / 入金済 / ボツ
(一覧にない値は自動的に「受付中」になります)

記入例(受注.csv)

顧客メール,title,status,due_date,amount
yamada@example.com,コーポレートサイト制作,受注,2026-05-31,300000
sato@example.jp,チラシデザイン,見積中,2026-04-15,80000

注意: 顧客を特定する列がAIで判別できないファイルは、受注データとして取り込み対象から除外され、プレビュー画面にその旨が表示されます。他のファイル(顧客など)の取り込みは続行できます。

取り込みの「重複・更新」ルール

データ 重複の判定 すでにある場合の動き
顧客会社名(大小文字・前後の空白は無視)新規追加せず、空欄だけを補完
協力会社会社名(同上)同上(空欄だけ補完)
商品商品名(同上)同上(価格・税率・単位などの空欄を補完)
顧客部署顧客+部署名+メール一致すれば担当者名だけ補完
協力会社職能協力会社+品名+単価+数量+単位一致すればスキップ
受注判定なし毎回新規作成(同じファイルを2回流すと二重登録

既存データは「上書き」ではなく「空いている欄だけ埋める」安全な動きです。

行数の上限と分割のしかた

1回のアップロードには、次の上限があります。

上限
1ファイルあたりの行数8,000行
1回のアップロード全体(全ファイル合計)10,000行
一度にアップロードできるファイル数30個
Zip内のファイル数120個
Zip内の1ファイルあたりのサイズ15MB

行数が上限を超えると、プレビューに 「行数: 2,000 / 8,000(行数上限により一部のみ取り込み対象)」 のように表示されます。表示されている件数だけが取り込み対象です。

2026年6月アップデート: ZIP一括アップロード時、顧客・協力会社・商品などの重要なマスタデータを優先して行数枠を割り当てるようになりました。以前はZIP内の並び順によって、顧客データが枠不足で読み取れないことがありました。

分割のしかた

  1. 元のCSVをコピーし、複数ファイルに分ける(例:order_1.csvorder_2.csvorder_3.csv
  2. ヘッダー行があるCSVの場合、各分割ファイルの先頭に同じヘッダー行を付ける
  3. ヘッダーなしの固定形式(KantanProの一部エクスポート)の場合は、データ行を行数単位で分割する
  4. 分割後のCSVをZIPにまとめてアップロードする(または個別にアップロード)
  5. 子ファイル(user_mail.* など)を含める場合は、対応する親ファイル(user.* など)も同じZIPに含める

目安: 1ファイル8,000行以内、1回のアップロード全体で10,000行以内に収めると安全です。全件取り込む場合は、分割して複数回アップロードしてください。

うまく取り込むコツ

  • 文字コードはUTF-8、形式はCSVまたはTSVに統一する。
  • KantanProのバックアップはZIPにまとめてそのままアップロードしてOK。取り込み順はシステムが自動で処理します。
  • 1ファイル=1種類のデータ。1行目は見出しにする(KantanProのヘッダーなし形式にも一部対応)。
  • 日付は 2026-04-01 の形式が確実(0000-00-00 や空欄は無視されます)。
  • 金額・数量・締め日などは数値だけに(「¥」「円」「末日」などの文字が混じると無視されることがあります)。
  • 親子(顧客→部署/協力会社→職能)を確実につなぐなら、両方のファイルに共通の source_record_id を入れておく。
  • 商品・協力会社のデータが空のファイル(会社名や商品名が入っていない)は、移行不要ならそのまま除外されても問題ありません。プレビューの警告を確認して進めてください。
  • 受注データは、プレビューで顧客との紐付け先が正しく表示されることを確認してから確定してください。紐付けが確認できない場合は、受注の取り込みを見送り、顧客データなどを先に移行するのが安全です。
  • cost.csv / image.csv / Setting.csv などは、現時点ではインポート対象外です。移行に必須ではありません。

KantanProの既知ファイル名

次のファイル名は、専用ルールで自動判定されます(拡張子は csv / tsv / tab など)。

ファイル名 取り込み先
user.*顧客
user_mail.*顧客部署(user.* が必要)
thirdparty.* / therdparty.*協力会社
work.*協力会社職能(thirdparty.* が必要)
goods.*商品

エラー・警告の見方(2026年6月アップデート)

アップデート後、原因に応じたメッセージが表示されます。

プレビュー画面の「取り込みに関する注意」

黄色の注意欄に、スキップ・除外されたファイルと理由が表示されます。例:

  • 「商品データはファイルを読み込めましたが、取り込みに必要なデータ(会社名・商品名などの必須項目)が見つからなかったため、取り込み対象から除外しました」
  • 「受注と判定されたファイルは、顧客を特定する列を AI が特定できなかったため取り込み対象から除外しました」

該当データを移行しない場合は、そのまま「確定してインポート」で進められます。

よくあるメッセージ

メッセージ 意味 対処
親ファイルが不足していますuser_mail.*work.* があるが、親の user.* / thirdparty.* が同じZIPにない親ファイルを同じZIPに含める
○○を取り込めないため、子ファイル(△△)も取り込めません親ファイルに有効なデータがなく、子ファイルも取り込めない親ファイルの内容を確認するか、子ファイルをZIPから外す
行数: ○ / △(一部のみ取り込み対象)行数上限により一部だけが対象ファイルを分割して再アップロード
取り込み可能な表データがありませんZIP内に読み取れるCSV/TSVがないファイル形式・ZIPの中身を確認

以前は原因にかかわらず「文字コード・改行コードを確認してください」と表示されることがありましたが、データ不足・行数上限・親子関係など、実際の原因に近い内容を表示するよう改善しています。

まとめ

CSV/TSVを上の「項目表」に合わせて作るだけで、AIの自動マッピングとプレビュー確認を経て、安全にデータを引っ越せます。

  • KantanProのバックアップZIPはそのままアップロードしてOK
  • 取り込み順はシステムが自動処理(お客様側での順番調整は不要)
  • 行数が多い場合は分割(1ファイル8,000行・全体10,000行が目安)
  • 一部ファイルに問題があっても、他のファイルは続行できるようになりました
  • まずは顧客から、つづいて協力会社・商品。受注は顧客との紐付けをプレビューで確認してから

ご不明な点は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

コメント

  1. […] 項目の詳細・記入例・分割手順は、別記事「他のシステムからデータを引っ越す方法(CSVインポート完全ガイド)」もあわせてご覧ください。 […]

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